症例:60代女性。半年前より目の下に赤いブツブツがでてきて、徐々に口の周りにひろがり、目の下から口回りが赤く腫れる。プロトピックとステロイド外用薬で一旦よくなるが、再び症状がでてくる。再度外用薬を使用するが今回は効果がなかった。以前娘さんが当院を受診していたことから来院される。
体質をみると脈を強く、舌は赤みが強く、患部は熱をもっていて、身体全体が熱に大きく傾いていました。身体の熱傾向を冷ますことが症状の改善につながるので、背部の熱をとるツボと足の熱をとるツボに鍼をしました。10回ほどで赤みは大分ましになりましたが、しゅさを綺麗によくするには時間がかかります。その後半年ほど施術を継続して見た目にわからない程度になりました。
あと食事内容が大事です。酒皶になる人は身体が炎症を起こしやすいので、熱を冷ます生野菜(キャベツ、キュウリ、レタスなど)をよく食べるようにして、炎症を起こしやすくなるニンニク、ショウガ、唐辛子はできるだけ食べないようにすることが大事です。
酒皶とは【持田製薬(株)ホームページ解説】
1.酒さ(赤ら顔)とは?
酒さは「赤ら顔」とも呼ばれ、顔面に生じる原因不明の慢性炎症性疾患です。中年以降に発症しやすく、男性よりも女性に多い傾向があります。顔面に症状が発現するため、日常生活に支障をきたすこともあります。2.酒さの症状
酒さは、鼻や頬、額などに赤みやニキビのような症状がでる病気です。しかし、ニキビとは異なり、面皰と呼ばれる毛穴の入り口の角化や毛穴のつまりを伴いません。皮膚の症状に加えて、ほてりやヒリヒリ感などもみられます。3. 酒さのタイプは4種類
酒さは臨床症状によって①紅斑毛細血管拡張型②丘疹膿疱型③鼻瘤④眼型の4型に分類されます。①紅斑毛細血管拡張型(従来の分類:第1度酒さ)
顔が赤くなり、毛細血管の拡張がみられます。ほてりやヒリヒリ感があります。
②丘疹膿疱型(従来の分類:第2度酒さ)
赤い盛り上がりや膿のたまったニキビのようなぶつぶつがみられます。ほてりやヒリヒリ感があります。
③鼻瘤(従来の分類:第3度酒さ)
鼻を中心に腫瘤を形成します。
④眼型(従来の分類:眼合併症)
眼の充血、異物感やかゆみ、乾燥、まぶしさを感じます。
酒さの患者さんはこれらの病型が複数混在することがあります。5. 酒さの原因
酒さの原因は明らかになっていませんが、臨床病態の観察から複数の増悪因子の関与が指摘されています。紫外線や高気温・低気温などの外部環境、精神的ストレスや食べ物などによる体の内部環境、その他、さまざまな要因が重なって発症すると考えられています。6. 酒さの治療方法
酒さの治療は、①悪化因子の除去 ②スキンケア ③医学的治療 です。
まずは、ご自身の酒さが悪化する原因を特定し、その因子を避けることが大切です。また、適切なスキンケアも治療の一つです。適切に遮光(紫外線対策)し、低刺激性の洗顔料や/保湿剤を/使用します。医療機関を受診し、皮膚科専門医にご相談されるとよいでしょう。
※記載の症例は、当院の鍼灸を受療されて同じような経過をたどることを保証するものではありません。症状・病気の程度、生活習慣や体質の違いで効果は異なることがあります。施術を受けられる際の参考としてご覧ください。