気象医学

🟢散歩のすすめ

『四季の健康法』より引用しました。

散歩は、中国三国時代のドラッグである五石散(幻覚作用があり金属中毒をおこす)服用後に体内の毒素を歩いて発汗させ排出·発散させることから命名されました。だから別名「行散」ともいいます。逍遥という言葉は「荘子」に由来しますが、ぶらぶらと気ままに歩くという意味で散歩の事です。このようにゆったりと歩くほうが身体や心のストレスが緩む効果があります。

①散歩は肝を緩めて心の安定をもたらします【気象病にも効果】
ゆっくりと継続して歩くと、身体と心の緊張緩和、不眠解消に効果的です。散歩で,交感神経は緩んでストレスホルモンであるコルチゾールは減り、ドーパミン(幸福ホルモン)、セロトニン(精神安定)、βエンドルフィン(強い鎮痛効果)が脳内に産生されます。

②散歩は腸の働きをよくします
散歩は腸腰筋に刺激を与えて腸の動きがよくなり、便秘が解消され炎症反応が低下します。

③散歩は脳の働きを改善し、筋骨を強化して老化を予防します
〇足腰の筋肉を強化するので老化を予防します。これは東洋医学での腎虚の改善になります。
〇認知機能の改善~歩行を含む長期の定期的な身体活動により高齢女性の認知機能の大幅な改善と認知機能低下の低下が認められています。
〇散歩による大腿骨、脛骨への負荷は骨細胞を刺激して骨密度を増加させます。腎は骨を司るので、腎の働きがよくなります。
〇ハーバード大学の研究で、末期癌患者で自然治癒した1000例に共通した9つの生活習慣に散歩が含まれています(瞑想と同じ効果があるとされます)。

④散歩と鍼灸
散歩を継続しながら鍼治療を行うと効果が増強されます。よく動いている人は経絡の気の動きが良いためです。逆に考えすぎて運動不足の人は鍼の効果がでにくくなりますので、よく歩くようにしましょう。

⑤真夏は熱中症の危険がありますので、控えめにするかお休みしましょう。

⑥一日に30分から1時間は散歩をしましょう。

散歩の効果まとめ~心と体の緊張をとる、体力アップ、安眠,便秘解消、骨を丈夫に

【参考文献】
見正 富美子他.有酸素運動における脳波・血中β-エンドルフィンの動態.体力科学.45 巻 5 号 519-526.1996
長屋政博:認知症に対する運動および身体活動の効果.The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine.47 巻 9 号 637-645.2010
高野 正太:慢性便秘症に対する食事療法,運動療法,理学療法.日本大腸肛門病学会雑誌.72 巻 10 号 p.621-627.2019
真田 樹義他.閉経後女性における筋肉量及び筋パワーと骨密度との関係.体力科学.46 巻 1 号 69-76.1997
杉本 太:骨粗鬆症の進行予防に対する運動の有用性に関する研究.昭和医学会雑誌.56 巻 4 号 pp372-380.1996
ケリー・ターナー『がんが自然に治る生き方』プレジデント社.2014

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