不妊症の鍼灸(女性・男性不妊症)

しんきゅうコンパスの不妊施術口コミ

少数鍼 橋本鍼灸院の口コミ・感想をもっと見る

 

不妊症

30代女性:主訴は不眠、背部痛・腰痛で橋本鍼灸院に来院。2回人工授精するが成功せず、10回ほどで主訴は軽減、続いて妊娠を目標に鍼灸を継続する。途中人工授精をするも流産し失敗したので、この療法は中断して、鍼灸のみで継続する。施術開始10カ月目で自然妊娠する。以降、何度も子宮収縮が起こるが、そのたびに鍼灸で乗り越えて安定期に入った。また以前より、唾液アミラーゼが高かったが、次第に正常値に収まるようになる。

精子減少症による不妊

30代男性:2年前に不妊症のため検査をすると総精子数が500万程度と精子が減少していた。当院では腎虚として鍼灸と養生法を行い、4ヶ月ほどで正常である4000万個になる。その後、無事奥さんは妊娠して元気な子供さんを出産された。

不妊症 30代女性

結婚して5年たつが妊娠せず、不妊症治療を始める。人工授精により授精はするが、成長せず失敗が何度も続いていました。不妊治療の助けとして鍼灸を希望して来院されました。身体をみると血虚(貧血気味)、体力低下があり、脈弱、舌に力がない、疲れやすい、不眠、のぼせがありました。体力をアップする鍼と血虚を改善するお灸を継続しました。徐々に疲れやすさ・不眠はよくなってきました。鍼灸を始めて6カ月ほどで不妊治療が成功し、無事に元気な女の子を出産することができました。妊娠中も色々と症状がでましたが、鍼灸で対応していました。

卵管閉塞

30代女性:第二子が欲しいが、卵管閉塞で通りをよくしなければ難しいと言われる。卵管に通水すると激痛で耐えがたい為、一回で中止。卵管の通りをよくしたいので来院される。

その他症状は右肩首の痛み、風邪をひきやすいなどある。
脈は固い、舌先が赤い、腹部右下腹部かなりの緊張、背部・手足のつぼ共に緊張がつよい。これは身体がつよく緊張していて卵管周辺の血行が悪く症状がでていると考え、背部の緊張をとり下腹部の循環を良くするツボに鍼をする。

週2回来院し、20回ほどで卵管に水を通しても痛みが起こらなくなった。

※記載の症例は、当院の鍼灸を受療されて同じような経過をたどることを保証するものではありません。症状・病気の程度、生活習慣や体質の違いで効果は異なることがあります。施術を受けられる際の参考としてご覧ください。

東洋医学での不妊症の鍼灸施術

不妊治療において、鍼灸は身体の調子を整え、妊娠しやすい体づくりをサポートする目的で用いられる代替医療の一つです。西洋医学的な不妊治療と併用されることが多く、その効果は多岐にわたります。

■鍼灸が不妊治療にアプローチするメカニズム
鍼灸が不妊に与える影響は、主に以下の3つの側面から説明されます。

1. 自律神経の調整とストレス緩和
不妊治療は、精神的なストレスを伴うことが少なくありません。過度なストレスは、自律神経(交感神経と副交感神経)のバランスを乱し、ホルモン分泌の中枢である視床下部に影響を与えます。その結果、卵巣や子宮への血流が悪化したり、ホルモンバランスが崩れたりすることがあります。
鍼灸施術は、自律神経のバランスを整える作用があり、副交感神経を優位にすることで心身のリラックスを促します。これにより、ストレスホルモンの過剰分泌を抑え、不妊治療による精神的負担を軽減します。

2. 血流改善と子宮・卵巣機能の向上
鍼灸刺激は、末梢血管を拡張させ、全身の血行を促進します。特に、子宮や卵巣への血流が改善されることで、卵巣機能が活性化し、質の良い卵子の育成や子宮内膜の厚みが増すことが期待されます。これは、受精卵の着床環境を整える上で非常に重要です。

3. ホルモンバランスの調整
鍼灸は、内分泌系に間接的に働きかけ、ホルモンバランスを整える手助けをします。特に、月経周期に関わるホルモン(卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン、エストロゲン、プロゲステロンなど)の分泌を正常化に導くことで、排卵の安定や黄体機能のサポートに繋がると考えられています。

■鍼灸施術の具体例と効果
鍼灸は、以下のような不妊に関わる症状や状態に対して行われます。

◎ 月経不順: 鍼灸で月経周期を整え、規則正しい排卵を促します。

◎ 子宮内膜の薄さ: 血流改善により子宮内膜が厚くなり、着床率の向上が期待されます。

◎ 冷え性: 血行促進効果により、骨盤内の冷えを改善し、子宮や卵巣の機能を高めます。

◎ 体外受精(IVF)や人工授精(AIH)との併用: 移植前後に鍼灸を行うことで、子宮内膜の血流を改善し、着床率の向上を目指す研究も報告されています。

■東洋医学の観点からの鍼灸施術

◎東洋医学における不妊の捉え方
東洋医学(中医学)では、不妊を単一の病気として捉えるのではなく、個々の体質や不調和の状態が原因であると考えます。特に重要視されるのは、以下の3つの要素です。

* 気(き): 生命活動のエネルギー。気が不足したり、滞ったりすると、体全体の機能が低下します。

* 血(けつ): 全身に栄養を運ぶ物質。血の巡りが悪い(瘀血)と、子宮や卵巣への栄養供給が滞り、妊娠しにくい状態になります。

* 津液(しんえき): 体を潤す水分。不足すると、体の機能が乾燥し、ホルモンバランスが崩れる原因になります。

これらの要素のバランスが崩れると、腎(じん)、肝(かん)、脾(ひ)という3つの臓腑(機能的なグループ)の働きが低下し、不妊につながると考えます。

* 腎: 生殖機能や成長を司る最も重要な臓腑。腎の気が不足すると、卵巣機能が低下し、卵子の成長や排卵がうまくいかなくなります。

* 肝: ストレスや気の巡りを司る臓腑。肝の働きが滞ると、気の流れが悪くなり、月経不順やイライラなどの症状が現れます。

* 脾: 消化吸収を司り、血やエネルギーを作り出す臓腑。脾が弱いと、血が不足し、子宮内膜が薄くなるなどの問題が起こります。

◎東洋医学的な鍼灸施術
東洋医学に基づく鍼灸施術は、西洋医学的な「妊娠しやすい体」という視点に加え、「本来の健康な状態に戻す」ことを目指します。具体的な施術は、個人の体質や症状に合わせて、ツボを選びます。

1. 体質分類とアプローチ方法
橋本鍼灸院では、問診や脈、舌の状態を見て、不妊の原因となっている体質を診断します。代表的なタイプは以下の通りです。

* 腎虚(じんきょ): 卵巣機能の低下、性欲の減退、疲れやすいなどの症状が見られます。
* 施術: 腎の働きを高めるツボ(腎兪、太渓など)に鍼やお灸を施し、生殖機能を根本から強化します。

* 肝鬱気滞(かんうつきたい): ストレスによる気の滞りで、月経不順や生理前のイライラ、胸の張りなどが特徴です。
* 施術: 気の流れをスムーズにするツボ(太衝、三陰交など)にアプローチし、心身のリラックスを促します。

* 血瘀(けつお): 血行不良で、生理痛がひどい、経血に塊が多い、子宮内膜が薄いなどの症状があります。
* 施術: 血の巡りを良くするツボ(血海、関元など)に鍼を使い、骨盤内の血流を改善します。

* 脾気虚(ひききょ): 消化機能が弱く、血が不足しがちで、疲れやすくむくみやすいのが特徴です。
* 施術: 脾の働きを助けるツボ(太白、脾兪など)にアプローチし、栄養吸収を促して血を増やします。

2. 月経周期に合わせた施術
東洋医学では、月経周期を4つの時期に分けて、それぞれの時期に合わせた施術を行うのが一般的です。

* 月経期: 経血の排出をスムーズにするため、血の巡りを良くする施術を行います。

* 卵胞期: 卵子の成長を助けるため、腎の働きを強化する施術を行います。

* 排卵期: 気の流れを整え、排卵をスムーズにする施術を行います。

* 黄体期: 黄体機能を高め、子宮内膜を厚くする施術を行います。

このように、東洋医学では、個々の体質や月経周期に合わせたオーダーメイドの施術を行うことで、妊娠しやすい健康な体づくりを根本から目指します。

■参考文献
不妊治療における鍼灸の効果については、国内外で研究が進められています。以下に、いくつかの主要な研究や文献を挙げます。
* Paulus, W. E. et al. (2002). Influence of acupuncture on the pregnancy rate in patients who undergo assisted reproduction therapy. Fertility and Sterility, 77(4), 721-724.
* 解説: 体外受精を受ける女性を対象とした有名な研究。胚移植前後に鍼灸施術を行ったグループは、行わなかったグループに比べて妊娠率が有意に高かったと報告されています。
* Manheimer, E. et al. (2008). Acupuncture for infertility: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials. British Medical Journal, 336(7643), 545-549.
* 解説: 複数のランダム化比較試験をまとめたメタアナリシス。体外受精に鍼灸を併用することで、臨床的妊娠率と継続的な妊娠率が向上する可能性を示唆しています。
* 中国・日本での臨床研究:
* 中国や日本では、伝統医学としての鍼灸が不妊治療に広く用いられており、基礎研究や臨床報告が多数存在します。これらの研究は、鍼灸が卵子の質、子宮内膜の状態、内分泌系に与える影響を多角的に検証しています。
これらの研究は、鍼灸が不妊治療の有効な補助手段となりうることを示していますが、効果には個人差があります。鍼灸を受ける際は、不妊治療に詳しい専門の鍼灸師に相談することが重要です。

西宮の橋本鍼灸院では、各人の体質をしっかりと判別して、適切な鍼灸施術を行っています。

 

西宮の鍼灸院 不妊症の鍼灸(女性・男性不妊症)